先日NHKBSでモハメド・アリのドキュメンタリーを放送していました。
ヘビー級王者としてのモハメド・アリ、イスラム宗教家モハメド・アリ、人種差別と闘う闘争者モハメド・アリ、様々なモハメド・アリの顔を見ることができました。
下馬評では勝てないと言われていた王者ソニー・リストンへの挑戦で、予想を覆してのTKO勝利とタイトル奪取、徴兵拒否による王者剥奪、ベトナム戦争後のボクサー復帰とライバル、ジョー・フレイジャーとの激闘、ジョージ・フォアマンとのザイール、キンシャサの奇跡と言われたタイトルマッチ。
予想を大きく覆してのKO勝利で奇跡の王者返り咲き。
ボクサーとして極限の戦いを行いながら、人種差別の壁と闘い、そして徴兵拒否。
徴兵拒否のインタビューでは「アジアの貧しい人々と闘うつもりはない。彼らは敵ではない。敵は、お金や権力で何でもできると思いこんでいる、この国にいる一部の人間たちだ。」
自国の権力者たちを公然と敵呼ばわり。
兄弟と思っていたマルコムXが暗殺され、公民権運動の旗手、キング牧師が暗殺され、軍産複合体から睨まれたジョン・ケネディ、ロバート・ケネディ兄弟の暗殺。
国を陰で牛耳る組織を敵に回した要人が次から次と暗殺される米国で、徹底的に権力を批判してきたモハメド・アリが暗殺されずに、生きてこられた理由は何なのだろうか?
パーキンソン病とも戦いながらの晩年。兎に角戦いの連続の人生。
しかし、公然と権力を激しく批判しながら、良く暗殺されなかったな、というのが率直な感想でした。
ボクサーとしてのモハメド・アリしか知らない私にとっては、結構衝撃的なドキュメンタリー番組でした。
10月16日
※写真は記事とは関係ありません。2010年LAの秋晴れです。