14年前、七夕の直前に胃がんの手術を行いました。
幸い早期発見、主治医で執刀医の名医とそのメンバーの先生たちのお陰で、術後の経過も順調でした。
この年は、七夕を病院で迎えました。
病院一階の待合室中央に大きな笹飾りが用意されて、入院中の我々患者は勿論、お見舞いに来たご家族、友人の皆さんも自由に短冊に思いを書いて、笹の枝に結んだり、鶴を折って笹の枝に結んだりしました。
こんなに盛大で、きらびやかな笹飾りは記憶にないほど、見事なものになっていきました。
私も、自分の健康は勿論ですが、家族の安全と幸せを短冊に託して、笹の枝に結びました。
他の患者さん、ご家族の皆さん、友人達が託した短冊の言葉が沢山目に入りました。
病気の回復を祈るご本人の思いや、ご家族の方が祖父、祖母、父、母、親族の手術の成功、病気からの回復、退院を祈る短冊のひとつひとつが胸に沁みました。
入院中の父親から子供達へ託した短冊、子供たちが親の病気の回復を祈る短冊、また家族で楽しいひと時を願う短冊、元気になってもう一度やりたい事、友人達との楽しい集まり、再会への楽しみや願い、全てが胸に沁みる短冊の数々でした。
きらびやかな笹飾りが、これほど胸に沁みる経験はありませんでした。
生きるもの、いつか別れがくるもの。だからこそ、一日一日を大切に、その時その時を大切に、かかわる人、そして関わる物事、全てを大切に、そして自分自身に与えられたひと時ひと時に感謝しなければ、との思いを改めて感じた七夕の夜でした。
本日は、これで失礼いたします。
7月7日
※2015年新治村にて。風や日の光にも感謝です。