以前、4月8日のブログで書かせていただいた、高校時代のM先生。
数学の先生で、分かりやすい教え方、優しい笑顔が印象的でした。
先生のおかげで、高校2年までは、苦手だと思っていた数学は、結構テストでも良い点数が取れました。
そんなに優秀な高校ではなかったとはいえ、クラス一の勉強家、ダントツの成績のTJ君と並んで、クラスでトップの成績を一時期取れたのは、M先生のお陰だと思います。
テストを返す時に、勿論点数は言いませんが、一人一人に声をかけてくれました。
M先生、生徒の実力を良く知っていて、その実力に合った頑張りに、惜しみない賞賛を送ってくれる先生でした。
数学が苦手な生徒が、何とか頑張って50点、60点取れば、「TK君、よく頑張ったな!」
しかし、逆に満点取る実力のTJ君が、手抜きで90点程度だと、厳しいことも言いました。
先生「TJ君、今回、君は手を抜いたな!」
TJ君「いえ、精一杯勉強しました。」
M先生「TJ君、僕は君の実力を良く知っている。残念だけど、今回、君は君の力を発揮する努力を怠った。何十年も教師をしてきた私にはわかる。」
TJ君はグーッの根も出ませんでした。実際に一夜漬けで適当な準備だったようでした。
TJ君は私の隣に座っていた、クラス一の勉強家。英語と数学が得意で、結局英語の教員に将来なるのですが、M先生の一言は、かなり効いたようで、その後98点だとか、100点だとか、どうなっているのだろうというくらいハイスコアー連発でした。
英語も95点位が彼の最低点だったと記憶しています。私のダントツの最高点と彼の最低点が一緒で、そのテストのクラストップを分け合って、嬉しさのあまりひっくり返りそうになりました。
それ以外、彼は大体満点でダントツのトップ。何故同じ高校に居るのか不思議でした。
そんなM先生、病気になり、志半ばで亡くなってしまうのですが、印象的な最後の授業は、数学の授業ではありませんでした。
長い話になりますので、4月8日「高校生に戻ったらしたいこと。M先生の最後の講義をもう一度聞きたい」をご一読いただければ幸甚であります。
あらすじをお話しすると、M先生が若い頃、一人旅の大島で夕方道に迷い、暗くなり、旅館に帰れなくなった時に、大島出身の嘗ての教え子とバッタリ夜道で遭遇。旅館まで案内してくれたらしいのですが。
実家の住所もわからずに、お礼を言えないまま帰宅したそうです。
帰宅後、この元生徒さんが亡くなっていた事をご両親からの知らせで知ったそうです。
全く理解できない不思議な出来事に、何年たっても整理がつかない気持ちを一生懸命最後の授業で、お話されていました。
このお話を最後に、入院されて、学校には戻ってきませんでした。
温和で、どんな生徒にも公平に接する、M先生の愛情あふれる笑顔を見ることは、二度とありませんでした。しかし、今でもハッキリとその笑顔は思い出せます。
8月27日
※今年6月に訪れた、新潟瀬波温泉。宿から眺める夕陽が素晴らしかったです。