秋になると思い出す。競馬シーズンの出来事です。
競馬場の近くには通称オケラ街道と呼ばれる屋台、商店が並びます。
お金がそんなになくても、安くお酒が飲めて、おでん、串なども食べられる、フトコロに優しい商店街という意味もあるらしいです。
そんなオケラ街道。東京競馬場から府中に向かう帰り道にもあります。
私は昔、競馬をしていた時期がありました。
時々当たることもありましたが、勝負ごとに弱く、負けることが多く結局やめました。
時々勝つこともあり、お小遣いが2倍、3倍、5倍、時には10倍。
勝った時の快感、一瞬の栄光が忘れられずに、何年か東京競馬場に週末に通っていました。
大きくかけることはなく、お小遣いを数倍にできれば良い程度の賭け金。
ある日、財布に万札2枚を入れて、最寄りの駅から府中まで、京王線で、気合を入れて競馬場に向かいました。
家族を大切にしていましたので、遊ぶ時間は決めて、馬券を買うレースも数レースと決めていました。朝行けば、昼には府中を出ます。
その日は朝から全滅。
午前最後のレースを買う時には、右のポケットに170円(当時府中から自宅のあった明大前までの京王線運賃)、左のポケットには1,000円。
これは、帰り道に、屋台で、昼間からビールと焼き鳥で軽く一杯やるための資金でした。
最終レース。ゴール前、無情にも・・・・・・。
財布は空っぽ。
お小遣い倍増作戦は見事に失敗。
明日からはお昼は暫くカップラーメンのサラリーマン生活になるのか、ならないのか?
帰宅後の妻の慈悲深い心、情け深い愛情にすがるしかありませんでした。
妻の愛くるしい、優しい笑顔を思い浮かべながら、競馬場からの帰り道、露店街の暖簾をくぐり、左のポケットでビール、焼き鳥2本、煮込みで丁度1,000円。
味わいながら、いただきました。
右のポケットには帰りの電車賃170円のみ。
これが、ホントのオケラ街道でした。
9月7日
※写真は記事とは無関係の、高幡不動で人気の大福です。