第一話DREAM の物語の主役は、千木良小都子でした。
三十三歳の若さで末期がんを患い、大女優の母親の反対で、芸能界に入れなかった人生に後悔を感じながら、召される日を待つ身でした。母親とは心が通じ合えず、通じ合おうともしないで、最期の時を迎えています。
父親は子供の頃に母親と離婚。
後悔病棟では、主人公の医師、早坂ルミ子が持っている魔法の聴診器で、過去の扉を開けて、夢の中で後悔している過去をやり直すことができます。
夢の中で人生をやり直して、芸能界に入るには入ったものの、自分が想像し、期待していたような人生が送れない事、海千山千の芸能界で観たくないものまで見て、母親の苦労を知ったこと。
そのお陰でしょうか、通じ合うことがないと思っていた母親の気持ちが少し理解できたようです。
母親に対しても優しくなってゆく自分がいました。
そして、最期を迎えた時に、夢の中で、離婚した父とオセロを楽しむ幼い頃の自分。
母と父、一家だんらんの中、温かい優しい空気の中で臨終のときを迎えました。
この本を読んで、最期の時を迎える時に、自分は何を思うのだろうか?どんな光景を思い出せるのか?と考えてしまいました。
誰にも分らない臨終の瞬間に、見えるものはあるのだろうか?どんな光景がみえるのだろうか?
そこで見える光景が、千木良小都子のように、人生で一番幸せを感じる場面なら、幸せな人生の終わり方になるかもしれないと思いました。
臨終の場だけでなく、生きていることに感謝する毎日の生活の中で、常日頃から自分にとって心安らぐ光景を思い浮かべることを意識していたら、残りの人生豊かになりそうな、そんな気持ちになる後悔病棟第一話でした。
※心安らぐ場面を常に思い出す意識を持って、過ごしてみようと思います。
10月8日