今朝、妻と話していて、知り合いのお孫さんの話になった。
学校の部活で怪我をした時、先生の対応がきっかけで、登校拒否まではいかないが、部活は辞めて、人と交わることが嫌いになったという話。その場にいないから、何とも言えないが、本人にとっては相当ショックを受けたようである。
高校卒業後、両親は大学進学をすすめたが、本人は大好きな機械いじりができる専門学校を選んで、将来機械技師?を目指したい。人間とではなく、機械と会話ができるエンジニアを目指すらしい。
機械技師でも人とのコミュニケーションは求められるし、ましてや職人さんの世界となると厳しい親方なんかもいるのではないか?心配になる。
他人の私でも、心配になるのだから、ましてやご両親の息子さんの将来に対する思いはいかがなものか!
そんなことを話していたら、昔、出張で羽田から飛行機に乗り込むワンシーンを鮮明に思い出した。
初めての沖縄出張でした。元来、飛行機嫌いでしたが、仕事で何度も飛行機に乗るうちに、徐々に慣れてきてはいました。仕事とはいえ、初めての沖縄!どこか心がウキウキしながらボーディング・ブリッジを渡り、飛行機に乗り込む手前の入口左側に、グランドスタッフの女性と、これから乗り込む飛行機の整備担当と思われる整備士のお二人が見送りをしてくれていました。グランドスタッフの方は柔らかい、やさしい笑顔で「ご搭乗ありがとうございます!行ってらっしゃいませ!」とお見送り。
その横で、整備士の方は息遣いも荒く、ド緊張状態で頭を下げながら「ウウーッ!フーフーッ」。真っ赤な顔。大丈夫かというくらい硬くなり、あまりのかたまりようで、肩と脱いだヘルメットを持つ手は小刻みに震えていたように見えました。
瞬間私は心の中で呟きました。「大丈夫かな!この飛行機。整備不良でごめんなさい、と謝られているようだ!」と同時に、別の声で「おそらくこの整備士さんは人が苦手で、機械が友達だろうな。人間でも、自分と同じ機械を扱う人たちなら信用できるのだろうな!」と自らを安心させるように心の中で呟き、飛行に乗り込みました。
キャビンアテンダントの皆さんの安心で、優しいサービス。整備士さんのしっかりした整備。パイロットの安全第一の飛行。順調なフライトで、初めて沖縄を訪れることができました。出張も思い出深い出張になりました。
今朝、知り合いのお孫さんの話から、おそらく人が苦手と思われる整備士さんを思い出しました。今、その整備士さんは羽田にいるのか?整備士さんを続けているのか?わかりません。
でも、もしまた会うことができれば、両手で整備士さんの手を取って、「飛行機の整備、ありがとう!安全な飛行、ありがとう!」
思い切り、ありったけの感謝の気持ちを伝えたいと思った次第です。
人が大好きと言いながら、言葉巧みに人に寄ってきて、騙したり、傷つけたりする輩がいる世の中。一方で、人は苦手だけど、自分の役割を精一杯地道に務める人たち。人間付き合いは不器用でも、努力をする方々に、改めて拍手喝さいを送りたい気持ちになりました。
知り合いのお孫さんも、専門学校で機械の勉強をして、機械とやさしい会話ができる技師になってもらいたいと思う!妻との朝の会話でした。
2月3日