定年退職後、スモールライフを楽しもう!

定年退職後、思い切った断捨離を断行。定年退職後の妻との日常生活、趣味、同居クロネコの様子、脳活回想録など、思いつくまま書いてみます。

お題:思いつく限りの無駄な行為  高円寺駅前の大道芸とガマの油売りにお付き合い!

思いつくお題「思いつく限りの無駄な行為」

 

幼少時、高円寺という街に住んでいました。60年以上も前のことです。

駅前には昼過ぎ~夕方、大道芸人ガマの油売りの叔父さんたちが沢山いました。

 

そんな中で、駅前に屈強そうな叔父さんが、空手家のような恰好をして、なにやら準備を始めていました。幼い子供から見て、大人の年齢などはわかりませんでしたが、お兄さんというには叔父さんだったと記憶しています。

恐らく30代の方だったでしょうか?

 

駅前にある岩に向かって、何やら気合を入れているようでした。

私は勇気を奮って叔父さんに聞きました。

わたし:「叔父さん、その岩を割るの?」

叔父さん:「そうだよ!」

わたしは、その叔父さんの一言に、衝撃を受けました。これから凄いものを見せてくれる、その叔父さんに対する、何とも言えない憧れのような気持ち。そして、これから起こる凄いことへの期待感。何が起こるのかを知っているのは「僕だけ!」の満足感。

叔父さんは、ひたすらウォーミングアップのような動きを、続けていました。

小一時間も経った頃でした。もう一人の叔父さんが、その動きの中に入ってきました。

更に屈強そうな叔父さんでした。

 

二人で凄いことをやるんだ!

 

私はドキドキしながら、思い起こしても凄い集中力で、二人の叔父さんの動きを追いかけました。時間がどんどん経過しても、一つの場所に留まっていても、全く退屈しませんでした。

そのうちに、大きなカバンから瓶が出てきて、沢山瓶が並べられました。

何時間経ったのでしょうか?人が結構集まり始めました。

私は心の中で、「いよいよ始まるぞ!岩がまっ二つに割れて、みんなビックリするんだ!凄いぞ、これは!」

しかし、いつまで経っても、岩は割れないばかりか、二人の叔父さんは、私の理解不能な動きを始めて、先にウォームアップしていた叔父さんが、口から血のようなものを吐きました。

病気か?大丈夫か?

その時、もう一人の叔父さんが、並べられた瓶の一本を開けて、病気になった叔父さんにその瓶の中身を飲ませました。

すると、病気と思った叔父さんは、たちまち元気を取り戻しました。

二人して、其の瓶を、集まった人達に見せて回って、たしか「1本何百円」とか言って、説明していました。

私は、何が起こっているのか!全くわかりませんでした。

ただ、子供ながらに、空手家のような恰好をした叔父さんは、はじめから岩を割るつもりがないことに、その時はじめて気が付きました。

子供ながらに、なんで長い間、駅前に座り込んで、起こることもないことを期待していたのか?とっても損した気分になってしまいました。

訳の分からない大人の集まりに長い時間付き合って、結局勝手に凄い事が起こると思い込んで、騙された気分になって!

でも、無料で楽しめたという考え方もありだな!と今になって思います。

人生の中で、いろいろと無駄と思われる行為はありますが、最も古い無駄な行為を思い出し、書いてみました。

本日は、これで失礼いたします。

4月20日

※写真は記事とは関係ありません。6年前の訪れた宮ケ瀬ダムの放流です。